観に行ったのは先週ですが、なかなかのインパクトと、数日間は映画のシーンを脳内が勝手に再生するくらいの余韻があった。
さりげない演出と、リアリティさが丁度良いというか。
切なくも実に良作。
まず初めに、私は元々昔からヤクザ映画は嫌いではなかった。父が割と好きだったので、一緒に観てた。
なので、綾野剛くんが主演と知って「うわー気になる!」って惹かれた。
MIU404でちょっとチンピラちっくというかチャラいけど、怒ると狂暴なワンコみたいな役を実にナイスに演じでたし、
コウノドリでは優しい先生役でとっても良かったし。
とにかく綾野剛くんが観たかった。
そして映画が始まって「うっ・・・・」っとなった。
親分役、綾野剛くん演じるケン坊の父親に等しい存在のヤクザの組長さんが・・・
舘ひろし!!!
うっ・・・似てる・・歳取って更に・・・
パパそっくりやんか・・・ヤバいな・・・
しかも、癌で入院してる時くらいにそっくりやん・・・
(父は肺がんで亡くなった)
これは想定外・・館さん出てたんや・・・・。
これ、母が観たらもうのっけから半泣きや・・・と確信するくらいに父そっくりの親分が、
狼みたいなチンピラ(けん坊)に対しては、実に優しい声で語りかけてたのが、まず非常に良かった。染みいるような良さ。
舘ひろしさんは、昔、父に似てると母が言い出して「泣かないで」を
カセットで何度も聞いてたくらい母は館さんが好きだった。
(どんだけパパ好きなんよ・・とちょっと私は引いてた。角度によってはホンマ父に似てたのよね。マジで)
でも、ずっとポスター貼って好きとかそこまでではなく、一時期好きだった程度。
私も似てるなぁと思いつつ、そんな気にしてなかった。
が!!父が亡くなって10年経った今見た、ヤクザと家族での親分さん役の館さんは、
必要以上に私の涙腺を直撃させた。
泣くつもりで観に来てないのに、涙がダバダバ出た。
マスクを片方外したりしながら涙をてぬぐいで抑えてた。
もし、館さんでなく他の俳優さんであっても切なく、やるせない内容で涙が出てたと思う。
(私はこの映画は泣ける!とかいう映画の宣伝は嫌いです。
良い作品で泣きそうになったり、泣いたりは人それぞれだし、
泣けるを謳い文句にするなと思う派)
とにかく、人間の大切な存在である家族の形、家族のあたたかさと、
今現代における、世知辛いネットのSNSのアカン所も描きつつ、
14年の服役から帰ってきた綾野くん演じるけん坊が目にする
時代によって変わり果てた世の中への戸惑いと、本当の家族とは?!
・・・もう、これは大人な方に是非見てもらいたい作品です。
バイオレンス満載のヤクザ映画ではなく、なんとも悲しい・・
たまたまヤクザの世界で生きてきた一人の青年の、切ない生き様というか・・ヒューマンドラマです。
WOWOWで放送したら、また観てしまいそう・・・。
綾野剛くんは、ほんまに天才やね!!すっかりファンになりました。
(あああMIU404 Blu-ray BOX欲しいけど我慢してたのが挫けそう)